アジャイル開発
サービスインまでの期間を短縮し、ビジネスのスタートを早める
アジャイル開発は、ソフトウェアの開発手法の1つで、『計画→設計→実装→テスト』といった開発工程を機能単位の小さいサイクルで繰り返すのが最大の特徴です。
優先度の高い要件から順に開発を進めていき、開発した各機能の集合体として1つの大きなシステムを形成。「プロジェクトに変化はつきもの」という前提で進められるので仕様変更に強く、プロダクトの価値を最大化することに重点を置いた開発手法です。
従来のウォーターフォール開発の場合、初めにプロジェクトの要件定義や設計を細部まで煮詰めてから1度の大きなサイクルで開発を進めるので、リリース時にすべての要求をクリアしていることが求められます。
しかし、アジャイル開発の場合は優先度の高い重要な機能から着手できるため、素早くリリースしてからブラッシュアップしていくことが可能。つまり、サービスインまでの期間を短縮することができ、ビジネスのスタートを早めることができます。
アジャイル開発のメリット
●トラブル発生時の修正工数が少なく済みやすい
小さな機能単位で開発しているため、トラブル発生前の工程に戻って修正する工数が少なくなります。一方、ウォーターフォールモデルの場合はまとめて開発しているため、トラブル発生箇所によっては、手戻りの工数が多くなりやすいことが難点であり、場合によっては、設計を再度行うこともあります。
●ニーズに応じやすい
アジャイル開発では各イテレーションで顧客要望とのすり合わせが行われ、改善点が見つかれば次回のイテレーションで反映されます。そのため、顧客のニーズに応じやすい点がメリットです。
●開発スピードが速い
各機能を切り分けて開発し、優先度の高い機能からテストを完了させてその都度リリースするため、開発チームが、開発にかける時間を短縮して実装することができます。ウォーターフォールモデルのような手戻りが少ない点も、スピード感を高めている要因のひとつです。
アジャイル開発のデメリット
●全体のスケジュールを管理しにくい
アジャイル開発は機能ごとにスケジュールを設定するため、プロジェクト全体のスケジュールや進捗状況を把握しにくい傾向があります。開発期間が長くなることもあり、期限が決まっていてリリースタイミングをコントロールしなければならないプロジェクトには向きません。
●開発の方向性がぶれやすい
アジャイル開発は明確な仕様を決めず、要件の追加や修正・変更を繰り返していく方式です。そのため、開発の方向性がぶれやすいという問題点があります。当初の方向性から大きく外れないように、またムダに工期を伸ばさないためにも、常に方向性のコントロールが必要です。
アジャイル開発は状況変化に柔軟に対応できる
従来のシステム開発の場合、開発中に起きたトラブルに対応に難がありましたが、アジャイル開発の場合、状況変化に柔軟に対応することができます。
システム開発の工程でPDCAサイクルを回す速度が劇的に向上したため、仕様変更や機能に関するお客様の声を拾い上げることもできるので、顧客のニーズに応えることができます。